スーパーで買う肉は、どう頑張っても硬くてパサパサするんだよね。
やっぱり高いお肉じゃないとお店で出てくるようなトロトロのビーフシチューは食べれないのかな?
そんなことないですよ!!
ちょっとしたポイントを抑えるだけでお店で出てくるようなトロトロのビーフシチューが自宅で食べれますよ!
料理歴9年、都内の某ホテルでフランス料理をやっている(@S0sKitchen)が今までの経験を活かし美味しく作るコツと家庭で作れるレシピを紹介します。
これを見たら、家庭でトロトロのビーフシチューが作れるようになると思いますよ!!!
ぜひ最後まで見ていって下さい!!
きっと読み終わる頃には、ビーフシチューが作りたくなってウズウズしていると思います!!
ビーフシチューの歴史
ビーフシチューの発祥地はどこ???
ビーフシチューは、16世紀後半から17世紀前半のフランスが発祥の地と言われています。
フランス語で「ラグー ragoūt」。煮込み料理の総称です。
フランスのブルゴーニュ地方の郷土料理ブッフ・ブルギニョン。
ブッフとは牛肉、ブルギニョンとはブルゴーニュ風という意味。
牛肉を柔らかく煮込み、赤ワインをたっぷりと使い、ワインで有名なブルゴーニュらしい料理です。
これはビーフシチューの原型と言われています。
日本に来たのがいつかは明確ではなく、1871年(明治4年)に、シチューのようなメニューがあったとされています。
その翌年の1872年には牛肉や豚肉、トマトなどを用いたシチューが紹介されていることから、おそらくこのあたりかと言われています。
少し話はそれますが、日本人の大好きな「肉じゃが」はこの時のシチューの失敗からできた料理なんです!!!驚きですね!(笑)
ビーフシチューの美味しく作るコツ!!
分解して考えてみる!!!
お肉の選び方!
ここで紹介するのがメインとなるお肉選びです。おすすめの部位4つを紹介します。
牛ばら肉
牛ばら肉と聞くと、焼肉や薄切りにし牛丼のイメージですが、角切りや大きめの一口大にカットして、煮込み料理にも適している部位です。
脂身を多く含んでいるので、苦手な方はいますが。正直一番おすすめです!
なかなか牛ばら肉は塊で手に入らないのが難点。
牛すね肉
運動量が多いために筋や腱が多い部位。
筋や腱は煮込めば煮込むほど旨味が出てきて柔らかく濃い味が出てくる部位。
煮込みにはおすすめのお肉です。また、スーパーで一番手に入りやすい部位です。
牛肩ロース肉
筋肉が発達していて赤身の多い部位。
硬めなお肉なので、煮込み料理におすすめ。
牛もも肉
脂身が少なく、赤身の部位。脂身が苦手な方はこの部位がおすすめ!!
硬めなお肉なので、牛肩ロース同様、煮込んでトロトロなビーフチューにはもってこいですが、煮込みすぎると崩れて原形がなくなる可能性あるので、煮込み時間には注意が必要。
この4つの部位がおすすめです。
もちろん他の部位でもできますが、リブロース、サーロイン、フィレなどは焼いてステーキやローストビーフにしたほうが美味しいですし、高価で煮込みにするのはもったいないのでおすすめしません。
肉と野菜の旨みが詰まったソース!
ビーフシチューの味の決め手は煮込むソースがとても重要!
焼いた牛の肉や骨、赤ワイン、トマトペースト、香味野菜を加えて煮込んだ贅沢なフォンと、バターと小麦粉を炒めブラウンルーと合わせてコトコト煮込んだブラウンソース(ソース・エスパニョール)を作ります。
これをベースに、肉や骨、野菜を足しては煮込んで、また足して煮込んで漉す。
を繰り返します。
それがデミグラスソースです。
これが不味いわけないですよね!!!
ここまでやろうとするとかなり手間と時間がかかるのと、まず一般家庭では材料は手に入らないと思います。
ですが、この工程を踏まえたレシピを作ったのでご安心を!
肉を柔らかくするテクニック!
もうすでに色んなレシピやテクニックが世に出回っているので、あえて言うことではないかもしれませんが、今回使うテクニックは
順番に説明していきます。
テクニック 1
赤ワインには、肉の臭みを消し風味を良くしてくれると言われています。
そこに酢と玉ねぎの酵素の働きでお肉が柔らかくなるということ。
これは、やらないという選択肢はないですね!!
他にも、パイナップルやキウイ、ヨーグルトが良いらしいですが、味に影響が出るので使いません。
テクニック 2
煮込む前に表面全体を強火で焼きつけること、肉の旨みを中に閉じ込め、外に逃げ出さないようにするためです。また煮崩れもしにくくなります。
さらに、生肉の生臭さも消え、焼いた時に出る香ばしさも旨みの一つに加わります。
ただ、焦げると苦味が出て、シチューの味に影響がでるので、焼き加減は注意して下さい!!
フランス料理用語でこの工程を「リソレ rissoler」と言います。
⇩⇩参考までに⇩⇩
フランス料理用語。火入れ編。
テクニック 3
肉のスジは弱火でじっくり煮込むことで、トロトロなゼラチン質に変化します。
柔らかいお肉に変化するには、ゼラチン質に変化させるための煮込み時間が必要となってくるということ。
美味しく作るコツがわかったところで、レシピと作り方を紹介します。
本格ビーフシチューのレシピと作り方!!
1.肉と野菜の下処理
今回はスーパーで手に入りやすい、牛すね肉を使っていきます。国産でも外国産でも構いません。
まず、牛すね肉を約5㎝角の大きさに切ります。ある程度大きさが揃ってないと、煮込み時間にムラが出来てしまいます。
牛すね肉に塩・胡椒をきつめに振ります。白胡椒が良いと思います。塩は1~1.5%くらいがベストです。
ミルポワ(香味野菜)を切ります。
玉ねぎ、人参、セロリを約2~3㎝角くらいの大きさにカット。
なので前日に漬け込んで、次の日の夜ご飯に!というイメージで大丈夫です。
2.漬け込んだ牛すね肉・野菜を焼く
漬け込んだ牛すね肉・野菜を取り出します。
赤ワインは煮込む時に使用するので捨てないで下さい。
牛すね肉に適量の小麦粉(強力粉)をまぶします。余分な粉は落としましょう。
フライパンに多めのサラダ油をしき、焼いていきます。
きれいに焼き色がついたら、深手の鍋に肉を入れておきます。
同じフライパンでミルポワ(香味野菜)も炒めていきます。軽く色が付く程度。
野菜は別のバットに入れておきます。
さらに同じフライパンにチキンスープ1L、デミグラス1缶を入れ溶いておきます。
チキンスープは市販の粉末タイプのものや、固形のものでも大丈夫です。表記通りに作って下さい。
牛すね肉をリソレする
ミルポワ(香味野菜)を炒める
3.牛すね肉を煮込む
煮込みの作業に入ります。
牛すね肉の入った深手の鍋を火にかけ、先ほど取っておいた漬け込み汁を入れる。
3分の1くらい煮詰まったら、そこにトマトピューレを入れ、さらに火にかける。中火くらい。濃度が出てくると跳ねるので注意が必要。
そこにチキンスープでのばしたデミグラス缶を入れ、強火にし一度沸かす。
アクが取れたら、ミルポワ(香味野菜)とローリエを入れ極弱火にする。
蓋をせずに1時間半~2時間煮込む。
肉の部位にや大きさによって煮込み時間は前後するので、竹串を刺してスッと抜けたらOKです。
赤ワインを入れ煮詰めた状態
トマトピューレを入れ煮詰めた状態
アクをすくう
香味野菜を入れる
煮込む
4.ソースを仕上げる
牛すね肉が柔らかくなったら、肉とローリエを取り出します。
残ったソースをミキサーまたはブレンダー回し、裏ごしして鍋に戻します。
火にかけ、肉を鍋に戻し、味を調えます。
5.付け合わせの野菜の準備(お好みで)
今回は、人参、じゃがいも、マッシュルーム、ブロッコリーにしました。
人参、ジャガイモはシャトー。
マッシュルームはトゥルネ。
ブロッコリーは小房に分け、それぞれ下茹でにしました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は家庭で作る本格ビーフシチューのレシピを紹介しました。
ちょっとしたポイントやテクニックを使うだけで、硬くてパサパサになっていたお肉が大変身すると思いますよ。
世の中にはたくさんのレシピや動画がありますが、ここまで細かく書いてあるのはないのかなと思います。
少しでも参考にして頂けたらと思います。
他にも自宅でできる簡単レシピやプロが教える本格レシピを公開していく予定ですのでよかったら見ていって下さい。
では、今回は以上です。
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